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一日だけのお祭りごとに   大野純一(写真家・多摩美大講師)


  多摩美大で一年に亘り、私が行っているPBL学習プロジェクトは、毎年4月の時点で受講生、約100名。こ の受講生の中から、今回、銀座アップルストアで開催されるフォトスライドショー『生』へ自ら作品出品を希望した学 生は、本企画展立ち上げ当初、約30名、本企画が進行してゆく中で淘汰された後に残ったメンバーが、この企画展で作品を出品する事となった18名である。

  まず、このメンバーが最初にぶつかった大きな問題は、メンバー間のコミュニケーション不足が原因による運営進行の危機。
  主語抜き言葉を日夜駆使し、同世代、同性、自分と同じノリのユルい友人関係内だけで自足することが可能な新世代である。深 夜、クラブでひたすら踊りながらも、酒は一滴も飲まず、ペットボトルに入ったミネラルウォーターを飲み続ける新世代である。ど れだけ空間を移動しても、その空間それぞれの雰囲気や空気感を自らの身体で感じようとはせず、携帯電話などの端末機器につないだお洒落デザインの真っ白な ヘッドフォンから聞こえる自分セレクションのロックなどで外界と自己をひたすらに遮断し、小さな自我の花園に深く居座り続ける事が可能な世代である。企画 が進行する最中、運営進行という裏方を自ら進んでやっている今時には珍しい奇特なメンバーたちと、時間や労力を使う黒子としての運営係などからは、なるべ く遠ざかり、一見、派手に見える作品出品などの美味しい部分だけを欲する自己中心的な今時系メンバーたちとの間に摩擦や温度差が生じるのは時間の問題で あった。

 さて、数々の問題点を解決する為の話し合い に急遽メンバーが集合すること数知れず、この原稿を書いている現段階(2月14日)に於いて、私も含め、本企画を運営する為の各担当者たちがやり取りした メールの数は約400通。

 「たった一日だけのお祭り ごとに、いったいどれほどの時間と労力を使うのか?」

  この企画展に参加を希望した18名のメンバーたちは、企画が立ち上がった当初の、若さ故のん気過 ぎる予想から、一気に終わりの無い不安のどん底へと落とし込まれた。

  不安のどん底に落とし込んだのは、誰でもない、この企画を作った私本人である。

  どうぞ、お忙しい時間の間をぬって本企画展開催当日には、アップルストア銀座においで下さい。この企画に巻き込まれてしまった出品作家たちが、あまりのし んどさに空中分解してしまったのか、それとも、この企画展を機に学生気分を払拭し、一人の創作家としての覚悟を持ちえる事ができたのか?

& nbsp;大自然には様々な野生動物がいて飽きることがないが、我々が暮す、この巨大都市には人間たちだけが生息し、日々を暮しているので、「他人事であ るならば」 と、いう前提に限り、人間の悪戦苦闘する姿ほど、本来、面白いものはない。いみじくも彼らが本企画展の肝として挙げたお題は『生』であった。彼らは小さな 自我の花園から外界へと踏み出すことができるのか?うっすらとホワイトアウトしたこの時代に背を向けて生々しい『私』を外界とすり合わせながらむき出しに する事ができるのかどうか、乞うご期待。


 どうか皆さ ん、お代は一切頂きませんので当日は物見遊山気分で会場へおいで下さい。



※PBLとは?
  米国、北欧を中心に大学教育に於いて導入されているPBL学習とは、プロブレム・ベースト・ラーニング(問題設定解決型学習法)のことで、従来の教育手法 が知識伝達に重点を置くことで、問題解決手法を身につける態度をとっているのに対し、PBL学習法では、実際の問題や実際の社会で発生している現実的な諸 問題にグループで取り組むことにより問題設定能力を高めてゆく点に重きが置かれて
い る。
 PBL教育に於いて最も重要視されているも の は、学生主導で問題を考え設定し、その問題点を解決してゆく態度、要するに、ものをどう考え、そして行動するかということを学習する能動的態度であり、ま た、個人のスキルアップと集団内のチームワーク作業を通じての現実的な体験が重要視されている。


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