PBL生プロジェクトについて |
2007 年 4月からの一年間、カメラを初めて持った者も含め100名ほどの学生が、大野純一氏の授業「PBL1-6メディアデザイン研究プロジェクト」を受講し、 まったくの基礎から一眼レフカメラについての知識を教わりました。 PBLという授業形態の中で私たちは実際に対象を写し、表現としての写真を発表するに至るまで、 カメラと深く関わる機会を与えられました。その関わりの中で、大野純一監修によるこの企画が実現したのです。 寒さも冷え込む12月、学年、専攻の異なる様々なメンバーが顔を向かい合わせました。 まずは、各作家の個性を十分に発揮するテーマを模索し、多様な解釈の可能性を持つ普遍的なテーマを選び出そうとしました。 色々な言葉が飛び交った中、私たちはあることに気づいたのです。 「生きているからこそ表現ができるのだ」と。そこから、『生』一文字を自由に解釈する、というテーマが生まれました。 『生』とは何か?いやらしさ?新鮮さ?さわやかさ?老若男女?臨場感?生命?etc… 『生』というテーマは、ある種写真にとって永遠のテーマでもあります。かのアンリ・カルティエ=ブレッソンは、 「絶対に生を捉えてやる、生が生きて動いているままに封じ込めてやる」と意を決して、ライカを手離さなかったといいます。 そのようなテーマを、今回はスライドショーという写真とも映像とも言いがたいメディアで提示します。 出品者は、普段それぞれデザイン・絵画・工芸・芸術学など、別の領域で日々表現を探求している芸術家の卵でもあります。 そんな彼らがカメラを持った時、何をとらえ、どう表現するのか。そして、どのような『生』立ち現れてくるのか―。 この『生』という字に読み方は決めておりません。観客の皆様が作品を見終わった後に『生』をどのように読まれ、 何を連想されるか、何かしらの答えを持っていただけたとしたら、私達の投げかけが上手く伝わったということになるでしょう。 是非、18通りの「生」をお楽しみください。 |